読書感想【真実の瞬間】

真実の瞬間

1990年発刊。

読ませたい人は、主に管理職や、マネージャ―になるような人。

もしくは小さな組織であり、やり方に対し、ある程度の意見を物申せるくらいの規模のところ。

 

【学び】

真のリーダー、特に経営者は、自社の製品(サービス)は誰に対して、何を提供するのか、そしてそれによって何を成し遂げるのか、その明確なビジョンとたどり着く戦略を示すだけであるということである。

著者、ヤン・カールソンはスカンジナビア航空の社長であったが、現場の作業の決定権をすべて現場社員に権限委譲した。

現場社員が唯一考えないといけないこと、それは「ビジネス旅行で利用してくれる人たちにとってベストなサービスを行い、スカンジナビア航空をヨーロッパで1番のビジネス用エアラインにすること」である。

 

その明確な目標、及びビジョンを作成、更に「ビジネスマンにとって一番大事なのは安さではなく、正確な発着時間とバッグが確実に届くことである」とのニーズを取れば「ヨーロッパでもっとも正確な航空会社になろう」というスローガンを選定した。

 

この設定、及び権限移譲までが経営者の行うべきことである。そして後は結果のみをみる。中間管理職を始め、マネージャーの最大の仕事は、この明確なビジョンを現場に浸透させることである。

 

そして、現場はサービスをつくる、本書でいえば「真実の瞬間」において、企業が提供すべきと決めた価値を提供する。それはある意味職務を超えてでも行うべきなのである。

 

現在でいうジョブ理論に近いかもしれない。

 

やはり、サービス単位でよいので、この明確なポリシーをつくるべきであろう。

 

弊社内で現在そのようなものができていない。

しかし、ここを策定し、営業、企画、集客、納品すべてにおいて我々が顧客に提供できる価値を明確に定めることによって、真のブランドができてくると考えている。

そして、何より今したいのはそこのブランドづくりである。

 

【最後に、何より】

自分が一人でも部下を持たせてもらえたなら、その人にこれを伝え、権限移譲をし、現場でどのような振る舞いをするのか、そこを任せきっていきたい。

そのうえで、「手柄が出ればお前のおかげ、失敗すればこの戦略を取った俺の失敗」といえる、そんなリーダーになるべきであると改めて強く思う。