読書感想 「USJを変えた、たった一つの考えかた」

USJを劇的に変えた、たった一つの考え方。

by森岡 毅

 

かなり入りの人用のものなので、読みやすさは高い。

 

 

全般的に自身のキャリアの話や、自己啓発要素がやや強い書籍であり、乙部さんの戦略とは?に比べると、やや薄いものであったと感じた。

 

しかし、前回ジョブ理論において学んだ、ある状況下にある顧客の片づけたいジョブに迫るという点では非常に良い。

更にこの森岡さんの話においてはより具体的な戦略の立て方を学ぶことができると思っている。

 

例えば市場調査(戦場調査)である。

昔の将軍が地形などを徹底的に調べ上げ、そのことで地の利を生かしていったように、まずは自分たちのマーケットにおける理解を徹底しなければならない。

有効な方法として、5C分析がある。

 

company自社・・・自社の全体戦略、及び自社内にある資源、人や金、性格などの特徴から強み、弱みを把握する。

consumer顧客・・・包括的な人としての理解。その購入の点の話ではない。他の部分も含めてどんな行動基準を持っているのかなど、詳しく見ていくべき
(ここはジョブ理論にあるように、どのような状況の顧客なのかという点を重要視していると考える。なので、我々も資源を割く関係上、目標達成のために、更にターゲットとなりうる学生をしっかりと見極めないといけないと感じた。)

 

Customer流通業者・・・マーケットを支えるパートナーであり、競合でもある。

           一体我々のconsumerは誰なのだろうか?学生か?それとも起業か?リボンズを説いた「リクルートのすごい構想力」が参考になりそうである。
我々のような二つに対してのリボンズ形態は、必ずといっていいほどどちらを起点に始めるかが重要となってくる。)

 

competitor競合・・・自社と競合の提供価値の差を見つける。なので、まずは自社が解決しているジョブを明確に定義することが重要

 

Community地域・法律

 

なので、戦略を立てる上で必ず逆らえない自然な流れを理解しておく。

 

■消費者にインサイトはわからない。彼らが見ているのは戦術の部分である=HOWの部分。

なので、HOWへのニーズを集め、そこから共通するWHATは何なのか?それを導き出し、考えるのが、我々が頭脳を持って行うべきことである。

 

またマーケター(マーケティング)はモノが自然と売れる仕組みをつくることである。

仕組みと聞くとかなり誤解も生まれそうであるが、ここでいう売れる仕組みとは、売れる理由をつくるということである。

 

なので、マーケターが言ってはいけないのは「自社の製品はしょうもないものしかないので売れない」ということである。

 

何かしらの接点を探し、消費者に価値を届けることが、マーケターの仕事である。

それを空中戦で行うのがマーケター、地上戦で行うのが、営業である。

なので、本質的に営業とマーケターはモノを売るという点では同じなのである。

 

■目的→戦略→戦術の順で考えていく。

 

目的は戦略の最上概念であり、成さねばならぬミッションである。

目標は目的達成のために超えるべきターゲットである。

「目的はパリ戦略、目標はフランス軍」の金言にもあるように、目標はある意味戦略の中に包括されている関係であるといっても過言ではない(目標≒Target)

 

戦略と戦術の違いだが、これはWHAT(戦略)と戦術(HOW)である。

 

戦略は目標達成のための資源配布を決定する(何をして、何をしないのかをきめる)

戦術は戦略に基づいて、どんなことをするのか、具体的に決めていく