【読書感想】なぜ「戦略」で差がつくのか

【タイトル】なぜ「戦略」で差がつくのか

【著者】音部 大輔(元資生堂・P&G CMO

【どういうときに読むのがおすすめか】

・何か物事を進めようとするとき。

・何か新しいことをしたい時。

・物事を進める中で進め方に疑問が出てきたとき

・悩んでるとき(考えれてない時)

【どういう人に薦めたいか】

・考えるのが好きな人

・戦略をすごく難しく考えている人

・目的を持っている人、目的を持とうとしている人

【逆にどういう人に薦めづらいか】

・目的のない人・目的を持つことを嫌う人

・プラン立てるのとかをすごく嫌う人

 

【自分なりの要約】

 

戦略とは「目的達成のための資源利用の指針である」。

戦略とは二つの要素、「目的」と「資源」が含まれている。

戦略的思考とは、この「目的」と「資源」の再解釈を行うことである。

 

指針とは「物事を進めるにあたって取るべき態度や進むべき方向を示すもの」である。

ここで戦略を自分の言葉に直すと「目的を達成するために、大まかにどんな方向に資源を使うのかを決めたルール(もしくは考え方)」となる。

 

目的の設定にあたっては、SMAC、もしくはSMARTというフレームワークが有効である。

SMAC

Specipic・・・具体的。数値化して誰が読んでも解釈に差がないようにする

Measuable・・・測定可能。結果を図るための単位を決めること。また、その結果の

        計算方法もここに含まれる。例えば9.5は10と換算するのか否かなど

Achievable・・・達成可能。又は達成が不可能ではないこと。実現可能性を測る。

Consistant・・・一貫性がある。目的と戦略がずれていないことを示す。

(Relevant)   自分たちが考えようとしている戦略が、自分たちよりも上位概念に

        あるものの目的とづれてないことを示す。

        (例えば会社のヴィジョンや目的など)

        要は「これは何の為にやっているのか」が明確にわかっている状態で

        ある。

Time-bound・・・期限設定。締め切りを明確にすること。

 

これらを考える。

目的をより深く考えるために「再解釈」が必要である。その再解釈の仕方に関して、思考を切り替える質問が2つある。

 

①「何が問題なのか?」・・・例えばが会場にてスピーカーから音が出ないとなったときに、スピーカーから音が出ないことの「何が問題なのか」を考える必要がある

課題は問題が何であるかがわかれば50%は解決されたようなものである。

 

②「ある場合とない場合」・・・この行動が意味があるかないかわからないなと思った時は、この行動がした時におきる状況と、しなかったときおきる状況を考える。さして変わらないなら、その行動に意味はない。

 

また、目的を描くにあたって、未来を考察する、具体的には「5年後の世界に自分をおく」ことも一つ効果的である。

5年後こういう世界になっててほしい、だからその1年前はこうであり、2年前は・・・と帰納法的に考えていくことができる。

 

次に資源には4つあり、

内部資源・・・製品、予算資金、営業力、ブランドなど

外部資源・・・代理店、メディア、媒体

内部資源になりそうなもの・・・能力など見方を変えてある状況であれば使えるもの

外部資源になりそうなもの・・・ユ―ザー、政府、など

 

外部環境や競合の変化など様々起きうるし、戦略を立てた後でも想定と異なることは絶対におきる。

 

しかし、ここで大事なので「それが資源に変化を与えるのか?」と「目的に変化を与えるのか?」だけに着目すればいい。

 

なぜなら戦略が必要となる要件として「目的がある」と「資源の有限性」だからである。

 

これら、戦略で得られる意義11個ある

①成功確率が上がる

②目的のよりよい達成が可能になる

③いい失敗で経験値を獲得しやすくなる

④再現性の確保

⑤有意識の力

⑥パニックを防ぐ

⑦自損事故を防ぐ。

⑧意思決定を助ける

⑨目的を共有する

⑩摩擦を下げる

⑪権限移譲を助ける

 

 

【気づき&感想】

この本で得られた気づきは

①自分の中での、戦略の創造性の認識違い

②戦略の身近さ

 

学びは

「戦略の概念、定義、組み立て方(戦略を構築する目的と資源の再解釈方法)」

であった。

 

今まで戦略というと「何かをするための計画書」という認識が強かった。

 

なので戦略における一番のクリエイティブな部分は「この戦略を立てること自体」にあると考えていた。

 

しかし、この本を読んで変わったのはこの一番クリエイティブな部分は「目的」の再解釈と「資源」の再解釈、この二つの再解釈こそ戦略の最もクリエイティ

ブな部分であるとのことである。

 

実は目的を持っていることであれば、いつでもこの戦略思考はトレーニングできることが分かった。

例えば、書籍内でもリンゴの買い方について戦略思考はできると書いてあり、この場合であると「リンゴを買う」という目的に対し、「目的の再解釈(SMACなどを用いて)」と資源のリストアップ、再解釈を行うことも可能である。

 

頭の中の戦略に対するモヤモヤが「目的達成のための資源利用の指針」ということですっきりと目的と資源で考えればいいとまとまり、すごいすっきりした。